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2016 年度 実績報告書

バルプロ酸による放射線誘発口腔粘膜炎軽減作用の検討

研究課題

研究課題/領域番号 26860106
研究機関愛媛大学

研究代表者

田中 亮裕  愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (50527562)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードバルプロ酸ナトリウム / 口腔粘膜炎 / 放射線
研究実績の概要

愛媛大学医学部附属病院歯科口腔外科の協力を得て自主臨床試験「放射線性口内炎治療薬としてのバルプロ酸ナトリウムの安全性に関するオープン試験」を実施した。口腔がん治療として放射線療法あるいは化学放射線療法を受ける患者を対象として2例実施した。概要はバルプロ酸ナトリウム1200mgを1日2回に分けて内服し、血中濃度40μg/mL~120μg/mL(てんかんの有効血中濃度を参照)が維持されるように適宜増減した。副作用の確認としては血液学的検査(赤血球数、白血球数、血小板数、ヘモグロビン)、血液生化学的検査(AST、ALT, γGTP, LDH, 総ビリルビン、ナトリウム、クレアチニン)を行った。結果として、1例はバルプロ酸ナトリウムとの因果関係が不明なせん妄および誤嚥性肺炎を発症したことから放射線治療中断となり、もう1例はバルプロ酸ナトリウムとの因果関係が不明な肝機能上昇(他の被疑薬:ミノサイクリン、アセトアミノフェン)を示したためバルプロ酸ナトリウムの服用を中止した。これらの結果は予測不可能な有害事象ではなかったものの、より安全に投与できる経路として局所投与(含嗽)が望ましいと考え、「放射線性口内炎に対するバルプロ酸ナトリウム含嗽剤の安全性・有効性に関する非対照、オープンラベル第 Ⅰ/Ⅱ 相試験」を実施することとした。実施方法としては1 日 4 回毎食後および放射線照射前にバルプロ酸ナトリウム含嗽を行い、全身への移行がないか血中濃度をモニタリングする。また、全身投与時の副作用に加えて局所での副作用(口腔内刺激感等)がないかどうかも確認する。現在、2名の患者がエントリーされたが、目立った有害事象は無く治療を遂行している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 薬剤部での取り組み:放射線性口腔粘膜炎治療におけるHDAC阻害薬の可能性~ドラッグ・リポジショニングの視点から~2016

    • 著者名/発表者名
      渡邉真一,田中亮裕,荒木博陽
    • 雑誌名

      愛媛医学

      巻: 35 ページ: 153-158

  • [学会発表] がん治療に伴う口内炎対策の現状と課題2016

    • 著者名/発表者名
      渡邉真一,濟川聡美,山下 登,田中亮裕,荒木博陽
    • 学会等名
      第26回日本医療薬学会年会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      2016-09-17 – 2016-09-19
  • [学会発表] 放射線誘発口腔粘膜炎モデルの組織スコアリング法と評価2016

    • 著者名/発表者名
      渡邉真一,濟川聡美,山下 登,田中亮裕,荒木博陽
    • 学会等名
      第1回日本がんサポーティブケア学会学術集会
    • 発表場所
      東京慈恵会医科大学
    • 年月日
      2016-09-03 – 2016-09-04

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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