基本骨格としてサルを宿主とするポリオーマウイルス科のsimian virus 40 (SV40) のウイルス粒子を構成しているVP1タンパク質を用いて、抗ウイルス細胞傷害性T細胞 (CTL: cytotoxic T lymphocyte) 誘導剤を構築することができる。CTLエピトープをVP1に挿入し、これを免疫すると強力に目的のCTLを誘導することができるが、その機構は不明であった。本研究の結果、SV40 VP1が免疫応答を誘導する免疫担当細胞を同定し、その免疫活性化に必要な細胞表面受容体を同定することにも成功した。また、この成果を応用し、難治性ウイルスに対するワクチン製剤を構築した。
|