一酸化炭素(CO)は強力な抗酸化作用・抗炎症作用に加え、抗菌作用を有している。我々は、ヘモグロビン小胞体(HbV)にCOを結合させたCO結合型HbV(CO-HbV)を作製し、CO-HbVが細菌感染症及び多臓器不全に対して有効であるかについて検討した。その結果、敗血症モデルである盲腸結紮穿孔モデルマウスにCO-HbVを投与したところ、HbV投与群と比較して生存率が向上した。加えて、HbVは大量出血に伴う肺障害を抑制し、CO-HbVは急性膵炎に伴う多臓器不全を抑制した。以上の結果より、CO-HbVは抗菌作用と全身性の多臓器保護効果を有する新規蘇生剤としての可能性を十分に秘めていると考えられた。
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