• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

核内受容体PXRの免疫応答における役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26860122
研究機関公益財団法人東京都医学総合研究所

研究代表者

佐伯 真弓  公益財団法人東京都医学総合研究所, ゲノム医科学研究分野, 主席研究員 (00462771)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードT細胞 / PXR
研究実績の概要

DO11.10 Rag2欠損マウスから採取したCD4陽性細胞と抗原提示細胞を、抗原や各種T細胞サブセットの培養に必要なサイトカインと共にin vitroで培養して分化した。精製した細胞におけるPXRの発現を測定すると、いずれのサブセットにおいてもPXRの発現はほとんど確認できなかった。そこでPXRの発現を誘導すること、T細胞に作用することが知られているデキサメタゾンで細胞を処理した。いずれのサブセットにおいても各T細胞に特徴的なサイトカインの抑制が確認されたものの、PXRの発現誘導はみられなかった。
そこで、PXRを強制的に細胞に発現させて検討を行うために、PXRの発現プラスミドの構築を行うこととした。具体的には、cDNAライブラリーをテンプレートとし、PCR法によってPXRを増幅した。得られたPCR産物をクローニングベクターに挿入し、大腸菌を形質転換後、クローンよりプラスミドを調整した。シーケンシングを行い、得られたプラスミドの配列に人為的な変異が導入されていないことを確認後、哺乳動物細胞で発現させるために、哺乳動物細胞用発現ベクターへの組み替えを行った。再度配列の確認を行い、プラスミドを大量に調整した。
また、P-糖タンパク質(P-gp)をコードする遺伝子であるMDR1はPXRにより発現が誘導されること、T細胞に発現していることの両方が知られていることから、きちんとPXRが発現・機能していることを確認するために、MDR1の転写制御領域のクローニングを行い、ルシフェラーゼ遺伝子の上流につないだレポータープラスミドの作成を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、各種サブセットに分化させたT細胞におけるPXRの役割を具体的に検討する予定であったが、DO11.10 Rag2欠損マウスのT細胞においてはPXRの発現がほとんど確認できなかった。そこで、当初計画を若干変更し、in vitroにおける強制発現系を構築するために、PXRなどの核内受容体やレポータープラスミドの構築に取り組んだ。

今後の研究の推進方策

作製したプラスミドをエレクトロポレーション法によりトランスフェクションし、トランスフェクションの条件を決定する。至適条件を決定した後、強制発現による細胞の変化を各種遺伝子の発現をリアルタイムPCR法にて測定すること等によって確認する。またリガンドの暴露が細胞に与える影響も同時に検討し、PXRのT細胞における役割を明らかとする。更に、申請者らの所有する各種アレルギー関連分子欠損マウス、アレルギー関連分子TgマウスにおけるPXRの発現を確認し、アレルギーに対する役割の解析を実施する。

次年度使用額が生じた理由

当初計画では本年度にマイクロアレイを行う予定であったが、計画の変更が必要となったことから、本年度の予算の一部を来年度に繰り越した。

次年度使用額の使用計画

cDNAやレポータープラスミドの構築が順調に進んでいることから、強制発現の解析に必要なトランスフェクションの物品、サイトカイン、mRNAの抽出等で用いる試薬の購入を中心として、予算を使用する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Th9 cells elicit eosinophil-independent bronchial hyperresponsiveness in mice2016

    • 著者名/発表者名
      Saeki M, Kaminuma O, Nishimura T, Kitamura N, Mori A, Hiroi T
    • 雑誌名

      Allergology International

      巻: - ページ: -

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Essential contribution of T cells to antigen-induced nasal hyperresponsiveness in experimental allergic rhinitis.2016

    • 著者名/発表者名
      Nishimura T, Kaminuma O, Saeki M, Kitamura N, Matsuoka K, Yonekawa H, Mori A and Hiroi T
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 11 ページ: e0146686

    • DOI

      doi: 10.1371/journal.pone.0146686.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Crosstalk between Histamine and T cells in Allergic Diseases.2016

    • 著者名/発表者名
      Saeki M, Nishimura T, Kaminuma O, Ohtsu H, Mori A and Hiroi T
    • 雑誌名

      Current Immunology Reviews

      巻: 12 ページ: 10-13

    • DOI

      DOI: 10.2174/1573395511666150706180936

  • [学会発表] Th9細胞によって誘導されるステロイド抵抗性気道炎症反応2015

    • 著者名/発表者名
      佐伯真弓, 西村友枝, 北村紀子, 神沼修, 森晶夫, 廣井隆親
    • 学会等名
      アレルギー好酸球研究会
    • 発表場所
      学術総合センター(東京都千代田区)
    • 年月日
      2015-10-24
  • [学会発表] Th2およびTh9細胞による気道過敏性亢進発症機構の相違2015

    • 著者名/発表者名
      佐伯真弓, 西村友枝, 渡邊伸昌, 森晶夫, 神沼修, 廣井隆親
    • 学会等名
      第64回日本アレルギー学会学術大会ミニシンポジウム
    • 発表場所
      グランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)
    • 年月日
      2015-05-26

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi