研究課題
近年,トピラマート,ラモトリギン,レベチラセタムなど新世代抗てんかん薬が次々と市販され難治てんかんの薬物治療は大きく変化している.本研究は新世代抗てんかん薬の体内動態に影響を与える患者因子および併用抗てんかん薬を探索すると同時に,難治てんかん患者における新世代抗てんかん薬の有効血中濃度領域を明らかにすることを目的とした.トピラマート服用患者610名の血漿中濃度1217サンプルを解析したところ,フェニトイン,フェノバルビタール,カルバマゼピン(薬物代謝酵素誘導作用を有する抗てんかん薬)の併用によって成人および小児てんかん患者のトピラマート血中濃度はそれぞれ45.4%,33%低下した.一方,スチリペントールはトピラマートの血中濃度を上昇させることが明らかとなった.さらに,トピラマートの有効性と忍容性が認められ2年以上服用している患者276名の平均血漿中濃度は5.1μg/mLであった.焦点性てんかん,症候性全般てんかん,ドラベ症候群,レンノックス・ガストー症候群に分類して各群の血漿中濃度を比較したが有意差は認められなかった.トピラマートの治療濃度が5μg/mL以上に達した群の治療継続率は5μg/mL未満の群と比較して有意に高かった(945日 vs 802日;ログランク検定 p = 0.007).同様に薬物代謝酵素誘導作用を有する抗てんかん薬の併用によって治療継続率は有意に低下した(p = 0.002).てんかん分類別,症候群別に新世代抗てんかん薬の治療濃度範囲を比較したが,明らかな差は認められなかった.しかし,トピラマートの体内動態は併用抗てんかん薬の影響を強く受け,治療継続率に影響を与えることが明らかになった.
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