研究課題/領域番号 |
26860124
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター) |
研究代表者 |
竹中 朋祐 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, 医師 (20645361)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 非小細胞肺癌 / バイオマーカー / 化学療法 / 遺伝子修復 |
研究実績の概要 |
白金製剤は非小細胞肺癌に対するKey Drugであり、これまでにも白金製剤の効果を予測するバイオマーカーの研究が行われているが、実地臨床において確立されたものはない。白金製剤は、DNAに損傷を加えることにより、抗がん効果を発揮すると考えられている。そのため、腫瘍の遺伝子修復能は、白金製剤の感受性に影響を与える因子であると推察される。 過去に我々は、in vitroの検討で、非小細胞肺癌におけるDNA二重鎖切断修復にかかわるRad51蛋白発現、ヌクレオチド除去修復にかかわるERCC1蛋白発現と、白金製剤の感受性に相関を認めることを報告した。特に両蛋白の発現を評価することがより効有効な効果予測因子となると考えられた。一方、治療を行われた患者でこの手法が有効な効果予測因子となり得るかは現時点では不明である。 今回、白金製剤を用いた術後補助化学療法を施行した、非小細胞肺癌完全切除症例76例を対象として、Rad51蛋白発現、ERCC1蛋白発現と、白金製剤の感受性の関連性について検討した。パラフィン包埋された切除標本を用い、腫瘍部におけるERCC1、Rad51蛋白発現を免疫抗体染色法にて評価を行った。76症例のうちERCC1陽性症例、Rad 51陽性症例はそれぞれ43例、45例であった。また、今回対象とした76例の臨床病理学的因子、予後について追跡を行った。 今後は、ERCC1、Rad51蛋白発現のプロファイルと、臨床病理学的因子、予後との関連について解析を行い、ERCC1、Raad51蛋白発現の意義について評価を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現時点まで免疫染色により蛋白発現の評価、臨床データ収集が終了している。今後は、解析を行うことにより、一定の結果が得られるものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
得られた蛋白発現のプロファイルと臨床データの関連について解析を行う。 また、他の遺伝子修復に関わる蛋白発現(BRCA1等)についても検討を行っていく。
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