研究課題
本研究では、哺乳類心臓発生において流出路、右心室に細胞を供給する前方の二次心臓形成領域(anterior Second Heart Field; aSHF)の細胞動態について理解することを目的とした。心臓中胚葉細胞で特異的に蛍光タンパク質を発現させ、胎生9.5日目マウス胚の発生中のaSHF領域のタイムラプスイメージングを行う手法を取り、細胞動態解析を行うことを試みた。その結果、短時間のタイムラプスイメージングではあるが、aSHF領域の細胞が心臓流出路に寄与していくと思われる様子が観察された。その際に、aSHF細胞は個々に独立して移動しながら流出路領域に供給されていくのではなく、aSHF領域全体が胚の大規模なリモデリングと共に、流出路領域に寄与していくという印象が得られた。この結果は、心臓流出路の形成は、aSHF領域の細胞の積極的な移動による心臓への寄与ではなく、組織のリモデリングにより心臓背部のaSHFが心臓へ取り込によって行われている可能性を示唆している。
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Mech Dev.
巻: 139 ページ: 65-73
10.1016/j.mod.2015.11.002
http://www.ncvc.go.jp/res/divisions/molecular_physiology/