研究課題
本研究ではマウス脳の発達時の髄鞘の形成と軸索径の増大に伴って個々の軸索におけるミトコンドリア(Mito)の径と長さの増大を明らかにした。またPLPtgマウスでは、1か月齢における無髄軸索においても既にMitoの密度と総体積の変化が認められた。1ヵ月齢における髄鞘の形成に伴って、PLPtgマウスのMitoの体積、密度は野生型とほぼ同様に変化したが、3ヵ月齢での脱髄に伴って、脱髄軸索においては、Mitoの密度と総体積の増加が認められた。これらの結果から、正常な髄鞘の形成・軸索径の増加と、Mitoの融合・総体積増加に強い相関があることが示唆された。またPLP-tgでは髄鞘形成前の無髄軸索において既にMitoの分布変化が引き起こされること、また発達後の脱髄に伴ってMitoの断片化と腫大、もしくは局在変化が関連する可能性が示唆された。生化学的解析においては、発達やPLPtgマウスにおける脱髄ではミトコンドリア動態や呼吸機能に関わる分子の明らかな変化を認めなかった。また電子顕微鏡観察を行う中で、試料作製過程の改良と新規樹脂開発も行った。その結果、試料作製過程に必要な人的・物的リソースの大幅な低減を実現した。またカーボンを主体とした導電性付与剤を応用した導電性樹脂を開発した。この導電性樹脂に脳組織を包埋することで、3次元解析におけるチャージングの低減と画質の向上を実現した。これらの成果の一部は既に複数の論文として発表し、また学会においても発表を行った。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)
Scientific reports
巻: 6 ページ: 23721
10.1038/srep23721
Medical Molecular Morphology
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1007/s00795-016-0134-7
Microscopy
巻: 65 ページ: 97-107
10.1093/jmicro/dfv371
Clinical Neuroscience
巻: 34 ページ: 368-369
巻: 49 ページ: 5-10
10.1007/s00795-015-0125-0
https://researchmap.jp/ohnoccf/