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2015 年度 実績報告書

エンドサイトーシス過程における膜脂質ダイナミクスの可視化解析

研究課題

研究課題/領域番号 26860132
研究機関東京大学

研究代表者

高鳥 翔  東京大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (80624361)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードホスホイノシチド / エンドサイトーシス / 急速凍結法 / 凍結割断レプリカ
研究実績の概要

エンドサイトーシスの進行には多数のタンパク質が時空間的に秩序立って働く必要があり、ホスホイノシチドの適切な産生と代謝がタンパク質の膜動員と機能制御に極めて重要である。しかし各々のホスホイノシチドの詳細な分布はほとんど明らかでない。そこで本研究では、急速凍結・凍結割断レプリカ標識法(QF-FRL)を基盤技術としてエンドサイトーシスの進展過程でのホスホイノシチド分布を解明することを目指した。
まずリガンドの添加によって膜タンパク質のエンドサイトーシスを同調的に誘導し、ホスホイノシチド分布の経時的変化を追跡することを企図した。蛍光観察レベルでは同調的な誘導を確認できたが、QF-FRLでは標的タンパク質を感度よく検出することができなかった。そこで種々のエンドソームマーカーと脂質プローブの二重標識によってホスホイノシチドの分布解明に取り組んだ。
研究開始時点ではQF-FRLで解析可能なホスホイノシチドはPI(4,5)P2とPI(3)Pのみに限られていたが、TAPP1のPHドメインを用いることによりPI(3,4)P2の特異的な標識法を確立した。エンドソームの成熟過程で産生されるPI(3,5)P2についても、ATG18pおよびp40phox由来PXドメインタンパク質を併用することで特異的な標識法を確立した。PI(3,5)P2は細胞内では管状の突起状構造を持つエンドソームに局在していた。詳細に解析すると、PI(3,5)P2はエンドソームの突起部分には乏しく、小胞状構造に集中していた。細胞内オルガネラにおいてホスホイノシチドが不均一分布をとる例はほとんど知られておらず新規性の高い知見である。エンドサイトーシスの最初期において重要なPI(3,4,5)P3に対しても特異的な標識条件の検討を進めており、エンドサイトーシス以外にファゴサイトーシスにおいてもこれらの脂質分布を明らかにしつつある。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Partial loss of CALM function reduces Abeta42 production and amyloid deposition in vivo2016

    • 著者名/発表者名
      Kanatsu K, Hori Y, Takatori S, Watanabe T, Iwatsubo T, Tomita T
    • 雑誌名

      Human Molecular Genetics

      巻: 未定 ページ: 未定

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A novel imaging method revealed phosphatidylinositol 3,5-bisphosphate-rich domains in the endosome/lysosome membrane2016

    • 著者名/発表者名
      Takatori S, Fujimoto T
    • 雑誌名

      Communicative & Integrative Biology

      巻: 9(2) ページ: e1145319

    • DOI

      10.1080/19420889.2016.1145319

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Phosphatidylinositol 3,5-Bisphosphate-Rich Membrane Domains in Endosomes and Lysosomes2016

    • 著者名/発表者名
      Takatori S, Tatematsu T, Cheng J, Matsumoto J, Akano T, Fujimoto T
    • 雑誌名

      Traffic

      巻: 17(2) ページ: 154-167

    • DOI

      10.1111/tra.12346

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Heterogenous distribution of phospholipids in the membrane revealed by quick-freezing and freeze-fracture replica labeling2015

    • 著者名/発表者名
      高鳥翔, 立松律弥子, 松本惇, 赤野琢也, 程晶磊, Aktar Sharmin, 藤本豊士
    • 学会等名
      第38回日本分子生物学会年会・第88回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(兵庫県・神戸市)
    • 年月日
      2015-12-02 – 2015-12-02
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] 名古屋大学大学院医学系研究科分子細胞学分野ホームページ

    • URL

      http://www.med.nagoya-u.ac.jp/cel-bio/index.htm

  • [備考] 東京大学大学院薬学系研究科機能病態学教室ホームページ

    • URL

      http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~neuropsc/

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公開日: 2017-01-06  

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