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2017 年度 実績報告書

骨格筋筋線維タイプ別の筋力回復に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26860151
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

小林 哲士  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (20449383)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード膝前十字靭帯断裂 / スポーツ復帰 / リハビリテーション / ミオシン重鎖
研究実績の概要

研究実施計画に基づき膝前十字靭帯(ACL)断裂症例(被験者)を追加した。本研究の被験者の総数は74名であった。被験者にACL再建術後、同様のリハビリテーションを行い、ACL再建手術前、手術後3ヵ月、6ヵ月および12ヵ月の筋力を評価した。また、ACL再建術時に採取した半腱様筋を用いて、被験者の骨格筋筋線維タイプを評価し、術後筋力回復との関連を評価した。
骨格筋筋線維タイプにはミオシン重鎖(MyHC)別にタイプⅠ、ⅡaおよびⅡdxがあり、タイプⅠ、Ⅱa、Ⅱdxの順に遅筋から速筋になると言われている。また、タイプⅠとⅡ(a, dx)の間には互換性は無いが、ⅡaとⅡdxの間には運動することによりⅡdxからⅡaとなり、筋萎縮によりⅡaからⅡdxになると言われている。本研究ではMyHCタイプを基準にI群、IIa群、IId/x群に分類し、いずれの発現量も45%未満の群をeven(E)群とし調査した。結果は、術前の筋力に各群間で有意差はなかった。術後筋力回復の経時的変化は、筋線維タイプと時間に有意な主効果を認めた(p<0.05)。すべての群で術後3ヵ月から6ヵ月の間に顕著な筋力増加があった。術後の筋力は、IIa群はI群より有意に大きく(p<0.05)、術後12ヵ月の筋力はIIa群、次いでE群、IId/x群、I群の順に大きかった。また、IIa群のみ術後筋力低下が無かった。
これらの結果から、MyHC IIaの発現量が多いほど筋力の増加は大きく、術後12ヵ月で筋力は有意に増加した。よって、術後早期筋力回復を目指すためには、MyHC IIaの発現増加を促す運動を術前に実施することであると示唆した。
今後は、ACL断裂症例の早期スポーツ復帰を目指し、手術前にMyHC IIaの発現増加を促す運動を調査することとした。
以上の結果を日本整形外科学会学術集会や日本整形外科学会基礎学術集会にて発表した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 膝前十字靱帯再建術後の脚伸展筋力と骨格筋筋線維タイプの関係2017

    • 著者名/発表者名
      小林哲士
    • 学会等名
      第90回 日本整形外科学会学術集会
  • [学会発表] Relationship between myosin heavy chain expression and leg extension force following anterior cruciate ligament reconstruction2017

    • 著者名/発表者名
      小林哲士
    • 学会等名
      Orthopaedic Research Society 2017
    • 国際学会
  • [学会発表] 膝前十字靱帯断裂症例における骨格筋ミオシン重鎖発現と膝伸展力の関係2017

    • 著者名/発表者名
      小林哲士
    • 学会等名
      第32回 日本整形外科学会基礎学術集会
  • [図書] 治す! 山の膝痛 膝の不安を解消する7つの知恵2017

    • 著者名/発表者名
      小林哲士
    • 総ページ数
      208
    • 出版者
      山と渓谷社
    • ISBN
      9784635150323

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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