研究課題/領域番号 |
26860153
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
沼田 かお理(佐藤かお理) 生理学研究所, 細胞器官研究系, 研究員 (60614196)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | バソプレシンニューロン / 低浸透圧 / タウリン |
研究実績の概要 |
平成26年度は、以下の2点について研究を行った。 1. 膜電位・自発的興奮におけるグリオトランスミッターの影響 膜電位・自発的発火活動を観察するためにグラミシジン穿孔パッチクランプを行った結果、膜電位は見ることができたものの、ニスタチンパッチクランプ法では観察された発火活動がグラミシジンパッチクランプ法ではなぜか観察されなかった。 2. グリオトランスミッター物質を受容するレセプタータンパク質の同定 これまでの実験によってグリオトランスミッターとして既に明らかにされているタウリンにおいて、タウリンを暴露するとGABAAレセプターのアンタゴニストと、グリシンレセプターのアンタゴニストが作用したことから、GABAレセプターがバソプレシン(AVP)ニューロンに発現しているか否かについてRT-PCR法を行った。AVPニューロンが局在している視索上核のサンプルを用いて行った結果、GABAAレセプター、GABABレセプター共に発現していることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
グラミシジンパッチクランプ法を用いると自発的活動電位を観察できなくなるという問題が発生し、現段階において解決に至っていない為、先に進められない状態にある。しかし、もう1つの課題である、グリオトランスミッタータウリンがAVPニューロンに影響を及ぼす際に結合するレセプターについて、候補として挙がっているGABAレセプターが実際にAVPニューロンを含む領野に発現していることが確認できたのは、今後、実験を進めるうえで大きな手がかりであるといえる。よって、着実に研究が進んでいることから、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度に行う予定の実験計画を前倒しで行ったため、平成26年度に行う予定のアストロサイトから分泌されるタウリン以外のグリオトランスミッターの解析を27年度において引き続き解析していく。パッチクランプの実験は、平成26年度の内容の、グラミシジンパッチの実験において、膜電位は観察できるのに発火活動が観察できなくなってしまう原因を解決した上で、当初の予定通りに行う計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
電気生理学的実験で、グラミシジンパッチクランプ法の実験における問題が生じ、実験が進まなかったため、電気生理学実験のために使用する予定であった動物の飼育費や試薬の購入費が未使用になってしまった。
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次年度使用額の使用計画 |
電気生理学実験で生じている問題を早期に解決し、予定通り研究計画を遂行するために必要な動物の飼育費や試薬の購入を中心に未使用額を使用したい。
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