KCNQチャネルが小脳神経細胞で果たす生理学的役割を神経細胞レベルで解明するため、KCNQ機能を調節する薬剤を用いて、電気生理学的特性への影響をパッチプランプ法を用いて記録し(H26年度に実験を実施)、H27年度は、このデータを詳細に解析して結果を得た。具体的にはマウス小脳より新鮮脳スライスを作成し、パッチクランプ法を用いてカレントクランプモードで活動電位発生に対するKCNQ開口剤の影響を記録した生データを、Clampex(Molecular Device社)とIgor (Wavemetrics社)等のソフトウェアを用いて記録後解析を行った。 その結果、静止膜電位が約5mV過分極する事を見いだした。これに伴い、通電刺激で誘発される活動電位の発火頻度が30%程度まで減少するという事も発見した。この結果は、てんかん病態に関連するKCNQチャネルと小脳運動機能失調によるてんかんに伴う運動機能への影響を考察する上で重要な所見となると考えられる。
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