ヒトでは歳を取ると睡眠の質と量の低下、睡眠障害が出現してくる。我々は、これは体内時計中枢である脳・視床下部・SCNの神経活動リズムの低下が原因であると突き止めたが(J. Neurosci. 2011)、その細胞レベルでの解析は行っていなかった。本研究では、SCN細胞レベルでの加齢の影響を解析し、加齢によるSCNの神経ネットワークの低下を見出した(eNeuro 2015).。さらに、加齢に伴う不妊症状が光環境と体内時計の不一致によって引き起こされることを見出した(Cell Rep. 2015)。これらの結果は、日中の適切な光受容が加齢に伴う睡眠障害や不妊症状の改善に重要であることを示唆している。
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