本研究では、アミノ酸飢餓応答因子GCN1のマウス個体における役割を明らかにするため、GCN1欠失マウスの解析を行った。GCN1欠失マウスは、胎生11.5日以降に成長遅延を呈すること、呼吸不全のため出生後に致死となることが明らかとなった。また我々は、酸化ストレス応答性転写因子Nrf2がGCN1と結合することを見出していたが、アストロサイトーマ細胞においてGCN1はNrf2の標的遺伝子であるヘムオキシゲナーゼ-1の発現誘導に必須であることを明らかにした。以上のことから、GCN1は個体の発生および成長に必要不可欠であること、GCN1とNrf2は協調的にストレス応答にはたらくことが示された。
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