研究課題
申請者は、直鎖状ポリユビキチン鎖を選択的に生成するLUBACユビキチンリガーゼは種々の刺激依存的にIKK複合体(IKK1、IKK2、NEMOから構成される)のNEMOに直鎖状ポリユビキチン鎖を結合させることで、炎症、細胞の増殖、生存などに関与する転写因子であるNF-κBを活性化させることを見出してきた。さらに、直鎖状ポリユビキチン鎖を選択的に切断する脱ユビキチン化酵素であるOTULIN、CYLDはLUBACのサブユニットの1つであるHOIPのN末端領域のPUBドメインでと結合することで、NF-κBの機能を負に制御する可能性を見出した。本研究では申請者のオリジナルな発見を踏まえ、直鎖状ポリユビキチン鎖生成系と分解系の協調的な制御機構の役割の解明を進めている。導入したOTULINのコンディショナルノックアウト(KO)マウスを用いて、T細胞、B細胞特異的にOTULINを欠損させたが、顕著な症状を示さなかったので直鎖状ポリユビキチン鎖の生成、切断のバランスはリンパ球の機能に果たす役割は大きくなかった。しかし、北海道大学と共同でOTULIN変異患者の解析に着手し、OTULINの機能低下は感染によって惹起された炎症を終息できない可能性を見出した。
すべて 2015
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Neurosci. Lett.
巻: 588 ページ: 29-35
doi: 10.1016/j.neulet.2014.12.052