本研究では、リン脂質の合成に必須の酵素であるPIKfyveの特異的阻害剤を用いて、Toll様受容体を介したサイトカイン産生におけるリン脂質の役割について解析を行った。PIKfyveの特異的阻害剤を形質様樹状細胞に処理し、TLR9リガンドであるCpGで刺激を行った際のサイトカイン産生について解析を行った結果、PIKfyve特異的阻害剤は形質様樹状細胞においてI型インターフェロン産生と炎症性サイトカインであるIL-12p40の産生の両方を顕著に阻害するのに対して、骨髄系樹状細胞においては、I型インターフェロン産生のみを阻害し、炎症性サイトカイン産生は阻害されないことが明らかとなった。
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