膀胱と腸管は、胎児期に一過的に存在する総排泄腔が分割されることによって形成される。その分割不全は肛門直腸奇形と呼ばれ、原因メカニズムは殆ど明らかとなっていない。現在まで総排泄腔の分割に関わる研究は、組織切片を用いた2次元的な解析が中心になされてきた。本研究では、イメージング技術を用いて3次元的に総排泄腔の構造変化を解析し、かつ遺伝子改変マウス胚を用いて総排泄腔分割不全の起こるメカニズムの解析を行った。その結果、総排泄腔分割過程における総排泄腔上皮のダイナミックな構造変化を明らかにした。本研究で得られた成果は、今後、肛門直腸奇形の原因メカニズムを解析する上で基盤となると考えられる。
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