自然免疫を担うマクロファージではトール様受容体(TLR)が病原体を特異的に認識し排除することが分かっています。本研究では特に「TLR4を介する自然免疫での糖鎖の役割」を明らかにするために、コアフコースという糖に着目しました。コアフコース欠損細胞を用いてTLR4をリポ多糖で刺激したところ、2種類のTLR4シグナル伝達経路のうちの1つ、インターフェロン-βの産生が特異的に抑制されることを見いだしました。これは細胞表面のTLR4複合体のCD14依存的な細胞内への輸送が抑制されたためと考えられます。すなわち、コアフコースが自然免疫で病原体センサーTLR4を介した感染防御に必須であることが分かりました。
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