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2016 年度 実績報告書

睡眠時無呼吸患者における心血管病発症・進展メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 26860217
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

京谷 陽司  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (10706534)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードインターロイキン-6 / 間歇的低酸素 / epiregulin
研究実績の概要

閉塞性睡眠時無呼吸による心血管病の発症メカニズムを解明するために、血管平滑筋細胞の間歇的低酸素 (IH) に対する応答メカニズムの研究を行なってきた。平成28年度は、IHが主としてepiregulin mRNAを増加させるメカニズムの解明を目的として、ヒト冠動脈平滑筋細胞 (CASMC) を用いてepiregulin mRNAの発現に関わるmicroRNAの検討を行った。その後、Interleukin-6 (IL-6) がepiregulin mRNAの発現に影響する結果を得たため、IL-6を主軸としてIH細胞内応答メカニズムの検討を進めた。
得られた結果は以下の通り。① 検討したmicroRNAのうち、miR-192-5pの発現はIH暴露により有意に減少した。② miR-192-5pに対する阻害剤を用いた検討では、阻害剤による効果において有意な差は得られなかった。③ IHのIL-6 mRNAの発現に対する影響を検討した結果、IHのサイクル数依存的にIL-6 mRNAの発現が増加した。④ IHによる成熟IL-6の発現への影響を検討した結果、IHのサイクル数依存的に成熟IL-6のcell conditioned medium中への発現が増加した。⑤ ヒトCASMCをIL-6 (100ng/mL) で刺激すると、epiregulin mRNAは刺激30分後から24時間後まで有意に増加し、amphiregulin mRNAは刺激3時間後まで経時的に増加した後減少に転じた。
上記のIL-6の結果は、IHはIL-6を誘導することでepiregulinおよびamphiregulinを増加させることを示唆している。IL-6は動脈硬化の進展に寄与する因子であることからも、血管壁におけるIL-6の増加はIHによる動脈硬化発症メカニズムの解明に大きく寄与すると考える。

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公開日: 2018-01-16  

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