研究課題
本研究はヒストンH4リシン残基をメチル化修飾するSmyd2とSmyd3の脂肪蓄積における役割およびそのメカニズムを明らかにすることを目的とし、Smyd2とSmyd3遺伝子欠損マウスを用いて検討を行っている。昨年度まで、マウスの耳、骨髄から間葉系幹細胞の分離培養を行い、脂肪組織からは脂肪前駆細胞の分離培養を行い、それぞれ脂肪細胞に分化することを確かめ、さらに、マウスの耳、骨髄からの間葉系幹細胞の分離培養した細胞がそれぞれ、骨細胞および軟骨細胞への分化することを確かめた。これらの結果は、間葉系幹細胞の性質を持つことを示す。本年度は、これらの細胞を用いて、野生型マウスとSmyd2遺伝子欠損マウスを用いて、SMYD2遺伝子欠損マウスが異常な脂肪細胞へ分化を示すかどうかを検討した結果、野生型マウスとSMYD2遺伝子欠損マウスの耳、骨髄、脂肪前駆細胞由来の細胞から脂肪細胞に分化誘導した細胞は、野生型マウスとSMYD2遺伝子欠損マウスとの間でその分化マーカー遺伝子の発現には有意な差は見られなかった。今後、SMYD3欠損マウスやSmyd2とSmyd3遺伝子の二重遺伝子欠損マウスを用いて検討する。また、Smyd2とSmyd3遺伝子の二重遺伝子欠損マウスは通常食の採食で、野生型マウスと比較して体重増加を示したが、高脂肪食でも同様に体重増加がみられるかどうかを検討した。その結果、通常食と同様に、高脂肪食でもSmyd2とSmyd3遺伝子の二重欠損マウスの体重が野生型マウスと比較して体重増加を示した。さらに、総コレステロールや遊離脂肪酸が野生型と比較して、高値を示していた。今後、SMYD2およびSMYD3遺伝子欠損マウスを用いて同様の検討を行っていく予定である。
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Oncotarget
巻: 9 ページ: 10818-10827
10.18632/oncotarget.24017
Sci Rep
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