免疫組織化学法により乳癌組織中の免疫細胞の局在を検討し、その意義を検討したところ、マクロファージがエストロゲン受容体陽性乳癌の悪性度に関連することがわかった。in vitroにて分化させたM2マクロファージが乳癌細胞の運動能を亢進させる一方、乳癌細胞のエストロゲン受容体の発現やエストロゲン応答遺伝子の発現を現弱させていた。 これらの結果より、M2マクロファージが乳癌の悪性度を高め、その結果としてエストロゲン依存性が低下するものと考えられた。このことは乳癌のホルモン療法耐性にマクロファージが関与する可能性を示唆しており、マクロファージが乳癌の治療標的となりうると考えられた。
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