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2014 年度 実施状況報告書

ヒト悪性腫瘍を対象としたリボソーム遺伝子変異解析

研究課題

研究課題/領域番号 26860233
研究機関新潟大学

研究代表者

大橋 瑠子  新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (20447600)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードリボソームDNA / LXR / 核内受容体 / 遺伝子変異 / 肺癌
研究実績の概要

LXRα(Liver X receptor α)は、LDLなどの酸化ステロール受容体として機能し、脂質や胆汁酸の代謝などに関与することが示唆されている転写因子である。申請者はこれまでの研究で、LXRαがリボソーム遺伝子と結合し、リボソーム生合成に重要な役割を担っていることを明らかにした。本研究は、その結果をふまえてヒト各種悪性腫瘍組織におけるリボソーム遺伝子のLXRα結合部位の遺伝子変異の有無とその機能的役割を検証することを目的としている。
平成26年度は、LXRαが結合するリボソームDNA領域に関する内容までの部分について、「LXRαの核小体への局在とリボソームDNA転写制御」という論文名で邦文論文での発表を行った。(新潟医学会雑誌 第128巻9号 (通刊1294号) 平成26年(2014年) 9月 447p)
2007年から2011年までの間に当院呼吸器外科で切除され、病理部にて病理診断がなされた肺癌手術症例150例を対象として、病理組織型診断の再確認と、年齢、性別、pT分類、病期、喫煙の有無について臨床病理学的因子の確認、統計を行った。各症例の非腫瘍部と腫瘍部のパラフィン切片標本を作製し、腫瘍部についてはmanual microdissectionを施行して非腫瘍部が含まれないようサンプル調整した上でDNA抽出を行った。非腫瘍部についてはそのままパラフィン切片全体からDNA抽出した。150例中、約半数の症例で抽出が完了した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2007年から2010年までの症例は肺癌取扱い規約第6版で、病理組織診断の評価がなされていたので現行のTNMに即したpT分類に修正を行う必要があった。また、腺癌は2004年刊行のWHO分類第4版に準拠して組織型亜分類がなされていたが2011年に制定されたIASLC/ATS/ERS分類で評価し直した。
申請時の予定では臨床病理学的因子の検討は平成27年度に行う予定であったが、このように再評価がかなりの部分で必要であったため予定を前倒しした。しかし平成26年度に遺伝子変異スクリーニングを終える予定であったが現在までにDNA抽出が一部のみしか終えておらず、全体としてはやや予定から遅れている。

今後の研究の推進方策

(今後の推進方策)病理部で自動核酸抽出装置QIAQubeを導入、稼働開始した。核酸抽出についてはこれから作業速度が向上すると考えられる。残り半分の症例の核酸抽出を行い、全例についてPCRとダイレクトシークエンスによる遺伝子変異スクリーニングを施行する。また、これまでに数例PCRとダイレクトシークエンスを行った結果では、NCBIをはじめとする日本人の遺伝子多型データベースに未登録の一塩基多型(SNP)と思われるものが見つかってきている。それらが他の複数の国際データベースでも未登録の新規のものであるのか検証を行う。機能的意義が解明されていない新規SNPと遺伝子変異が見つかった場合は、LXRαとの結合能およびLXRαのリガンド投与によるリボソーム遺伝子転写促進の有無などの機能解析を細胞培養系を用いて行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] LXRαの核小体への局在とリボソームDNA転写制御2015

    • 著者名/発表者名
      大橋 瑠子
    • 雑誌名

      新潟医学会雑誌

      巻: 128 ページ: 447-461

    • 査読あり

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公開日: 2016-06-01  

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