癌は癌細胞と間質組織からつくられ、癌の進展にはその周辺環境が重要な役割を果すことが分かってきています。私たちは、浸潤性乳癌と非浸潤性乳癌ではその間質に発現する非線維性コラーゲンのタイプが異なることを発見しました。試験管下での解析により、間質線維芽細胞では癌細胞あるいは周辺環境からの刺激により14型コラーゲンの発現が低下することを明らかにし、12型コラーゲンとは発現制御機構が異なっていることが示唆されました。また、間質中の非線維性コラーゲンのタイプは乳癌の動態へ影響を与えませんでした。間質の非線維性コラーゲンタイプの変化は、癌周辺環境に存在する癌細胞以外の細胞の動態に影響するのかもしれません。
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