研究実績の概要 |
本研究の目的は,胆道系疾患の腫瘍性腺管と非腫瘍性腺管における癌抑制遺伝子のプロモーター領域のメチル化を解析し,胆道癌における発癌過程で癌抑制遺伝子のメチル化がどのように関与しているかを明らかにすることである. 当院で手術された胆道疾患の新鮮手術材料から、腺管分離法を用いて純粋な上皮成分のみを分離し、組織標本作製用サンプルとDNA 抽出用サンプルに分けて回収する。前者はHE染色標本を作製し,間質を含まない腺管であることを確認し、後者はDNAを抽出している。2008年の研究開始時点から現時点までで、胆管癌のサンプル(腫瘍腺管、非腫瘍腺管)を25例集積した。また、胆嚢癌および胆嚢管癌のサンプル(腫瘍腺管、非腫瘍腺管)を合わせて17症例集積した。現時点で合計42症例のサンプルを集積した。このサンプルから一部を組織標本作成用サンプルとして採収し、分離腺管の形態解析のためパラフィン包埋してHE染色標本を作製する段階まで行っている。他方、採収した分離腺管からDNA抽出し、このDNAから癌関連遺伝子のプロモーター領域のメチル化をpyrosequencing 法で解析している。解析している遺伝子はCDH1,CDH13,FHIT,hMLH,p16, p15, p14, p73, CHFR, REPRIMO, BLU, ZFP64,RUNX3, HPP1,RASSF1A, RASSF2A, SFRP1, SALL4,MGMT,TIMP3,SEMA3Bを行っている。
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