研究課題/領域番号 |
26860245
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
松本 俊英 北里大学, 医学部, 助教 (10623184)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 卵巣明細胞腺癌 / ショットガンプロテオミクス / Lefty / TGF-β |
研究実績の概要 |
平成26年度は、上皮性卵巣癌のホルマリン固定パラフィン包埋材料を用いたショットガンプロテオミクスで網羅的にタンパク質解析を行った。その結果、卵巣明細胞腺癌(OCCA)に特異的に発現するLeft-right determinant factor(Lefty)を見出した。Leftyはtransforming growth factor(TGF)-βにより発現制御され、細胞の増殖・分化に関与する分泌型タンパク質である。臨床検体を用いた免疫染色により、漿液性、粘液性、類内膜型を含む卵巣癌の内、LeftyはOCCAで特異的に高発現であることを確認した。さらに、LeftyはmRNAレベルにおいてもOCCAに有意に発現が高かった。また、卵巣癌培養上清中にLeftyタンパク質が分泌していることをwestern blot法で確認した。今後は、Leftyとその関連分子がOCCA発生・進展に関与することを想定し、培養細胞を用いた分子生物学的検索から、OCCAにおけるLefty発現の意義を検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ショットガンプロテオミクスによる網羅的解析から、卵巣明細胞腺癌に特異的な分子を絞り込み、臨床検体によるその分子の検証まで出来た。
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今後の研究の推進方策 |
Lefty遺伝子の機能解析をOCCAの増殖制御機構の観点から解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ショットガンプロテオミクス解析が予想していた期間より早く完了したため、その経費を分子生物学的手法へ計上することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、Lefty関連因子(TGF-βやSmad2/3及びsmad4)といった抗体、免疫染色法やTUNEL染色法に必要な試薬、さらに培養細胞を用いた機能解析に必要な消耗品を購入予定である。
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