本研究では、膵癌細胞が発現し得る細胞小器官、primary ciliaに注目した。我々はprimary ciliaを有する膵癌が悪性度が高いことを示したが、そのメカニズムは不明であった。我々はRNAi法を用いて、primary cilia形成に必要な分子(IFT88, KIF3A)がin vitroでのコロニー形成能やin vivoでの腫瘍形成能に寄与することを見出した。 本研究結果は、極性の乱れは少ないがリンパ節転移は多いというprimary cilia発現膵癌の特徴をよく反映したものであった。本研究成果は高悪性度の膵癌のメカニズム解明や新規治療ターゲット開拓への寄与が期待される。
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