本研究では、臨床病理の現場で多用されているホルマリンにより固定、保存された病理検体を用いて、従来から行われている組織病理学的解析に加えて、laser capture microdissection(以下LCM)による細胞レベルでの分子病理学的解析を同時に可能にする新規手法を開発した。 「水溶性ポリマーを用いてコーティングした切片のLCMによる分子生物学的解析に最適な免疫組織化学的解析手法」と「脱架橋反応・ゲノムDNAの除去・RNA抽出を同一チューブで行う効率的なRNAの抽出手法」の確立により、固定された組織切片上の神経細胞5個から発現遺伝子(mRNA)の検出が可能となった。
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