我々はインフルエンザウイルスの細胞内侵入に細胞内カルシウム濃度の上昇が重要であることを報告しているが、その機構は未知であった。そこで本研究ではウイルス感染時の細胞内カルシウムダイナミクスを詳細に解析し、その解明を目指した。高速イメージングを用いた観察の結果、ウイルス吸着部位の付近でカルシウム上昇が生じることが明らかとなった。さらに、インフルエンザウイルスタンパク質と結合する細胞膜局在タンパク質のなかで、細胞内カルシウム濃度の制御に関与する膜タンパク質を同定した。この膜タンパク質はウイルス感染にも関与したことから、インフルエンザウイルス感染に鍵となる受容体タンパク質であると考えられる。
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