P-bodyは真核生物における細胞質mRNP顆粒のひとつで、mRNAの分解や翻訳を担う。寄生原虫Trypanosoma cruzi(T. cruzi)感染による宿主P-bodyの変化を調べたところ、感染初期にP-body形成が顕著に誘導された。また、P-body形成を阻害すると、感染効率および細胞当たりの原虫数が増加した。この効果は、抗寄生虫応答に関わる宿主遺伝子がP-bodyで翻訳調節を受けることによるものと考えられた。そこで、感染時特異的にP-bodyにリクルートされる遺伝子を同定するため、P-body構成蛋白質の免疫沈降により精製したmRNAを次世代シーケンシングで解析した。
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