細胞極性は、哺乳類の幹細胞の自己複製と分化制御に重要な役割を果たすことが分かってきているが、成体の毛包幹細胞におけるその制御と役割は、ほとんど明らかにされていない。17型コラーゲンは、基底膜ヘミデスモソーム構成成分であり、基底膜へと係留する役割をもつ。我々は、17型コラーゲンが、毛包の基底膜にも発現しており、毛包幹細胞の維持に必須であること、また、“毛包の老化メカニズム”の中心的な役割を果たしていることを明らかにしてきた。本研究では、ヘミデスモソーム構成成分である17型コラーゲンやインテグリンA6が、どのようにして毛包幹細胞の細胞極性制御に関わり、その運命にかかわるのか、解析している。
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