今回、我々は質量顕微鏡装置iMScope(島津製作所)を用いて胃癌および非癌部組織サンプルを対象とし、抗癌剤候補をスクリーニングした。その結果、2種の異なるアシル鎖構成を持つフォスファチジルコリン(PC-34:2とPC-36:4)が有意に胃癌で発現減少していた。同定したPC-34:2は5つの胃癌細胞株の増殖を抑制した。一方で、正常なNIH3T3細胞の増殖はPC-34:2により全く影響を受けなかった。さらに、上記のPCを産生することが知られているLPCAT3の過剰発現により胃癌細胞株MKN-28の増殖が抑制された。
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