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2014 年度 実施状況報告書

Plasmablastsを介した多発性硬化症に対する新たな治療法の開発基盤の確立

研究課題

研究課題/領域番号 26860262
研究機関大阪大学

研究代表者

松本 真典  大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教(常勤) (50542106)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード多発性硬化症 / IL-10 / plasmablast
研究実績の概要

これまでに申請者らは、多発性硬化症のマウス実験モデルである脳脊髄炎の抑制には、plasmablastsと呼ばれるB細胞集団からの抑制性サイトカインIL-10の産生が必須であることを明らかにしている。しかしながら、マウスだけでなく、ヒトにおいてもplasmablastsが主要なIL-10産生B細胞であるかは不明なままであった。そこで、本研究は、ヒト多発性硬化症の抑制においてplasmablastsが産生するIL-10が機能しうるかを解明し、plasmablastsを介した多発性硬化症に対する治療法の開発基盤をマウス実験モデルを用いて確立することを目的とする。
平成26年度はヒトplasmablastsにおけるIL-10産生能の解析を行うことを目的に実験を行った。健常人の末梢血にはplasmablastsがほとんど検出されなかったことから、この健常人の末梢血から単離したB細胞をCpG (TLR9リガンド)およびサイトカインを用いてin vitroで刺激したところ、細胞表面のCD27を高発現および低発現する2種類のplasmablastsが分化誘導された。興味深いことに、IL-10産生能はCD27を低発現するplasmablastsでのみ観察された。さらに、多発性硬化症患者の末梢血から単離したB細胞を用いて同様の実験を行ったところ、健常人由来のB細胞よりも多量のIL-10を産生した。
これらの結果から、ヒトにおいてもplasmablastsが主要なIL-10産生B細胞であること、および、多発性硬化症患者では炎症反応を抑制するためのネガティブフィードバックメカニズムとして、IL-10産生能が亢進していることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

交付申請書の平成26年度に計画していた研究項目を予定通りに行うことができたので、研究はおおむね順調に進展しているものと思われる。

今後の研究の推進方策

マウスと同様に、ヒトのIL-10産生B細胞もplasmablastsであることが明らかになったので、平成27年度はヒトplasmablastsによるIL-10産生メカニズムの解明とplasmablastsを介した多発性硬化症に対する治療法の開発基盤の確立を目的に研究を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

無駄な支出をする必要はないと考え、次年度に1214円を繰り越している。

次年度使用額の使用計画

残高は1214円とわずかであるので、この残金と平成27年度の研究費とを合わせて物品費や旅費に充てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Interleukin-10-producing plasmablasts exert regulatory function in autoimmune inflammation2014

    • 著者名/発表者名
      Masanori Matsumoto, Akemi Baba, Takafumi Yokota, Hiroyoshi Nishikawa, Yasuyuki Ohkawa, Hisako Kayama, Axel Kallies, Stephen L Nutt, Shimon Sakaguchi, Kiyoshi Takeda, Tomohiro Kurosaki, and Yoshihiro Baba
    • 雑誌名

      Immunity

      巻: 41 ページ: 1040-1051

    • DOI

      10.1016/j.immuni.2014.10.016

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2016-06-01  

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