MODY (遺伝性糖尿病) 患者由来iPS細胞を用いた病態解析

2015 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 26860272
• 研究機関: 国立研究開発法人国立国際医療研究センター
• 研究代表者: 矢部 茂治 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 研究員 (40533716)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2016-03-31
• キーワード: 糖尿病 / iPS細胞 / 膵β細胞

研究実績の概要

遺伝性糖尿病(MODY)-患者由来iPS細胞を樹立をした。膵β細胞分化誘導を行うため、DE・PGT・PFG・PP・EPの各段階のマーカー陽性率が全て90%以上であり、膵β細胞のマーカーであるinsulin C-peptideの陽性率が30%以上となる膵β細胞の発生過程を模倣した6段階からなる膵β細胞分化誘導系を開発した。さらに膵β細胞の段階でスフェロイドによる3D培養を行うことでグルコース応答性などの機能性を高めることに成功した。このiPS細胞から分化誘導した膵β細胞をSTZ投与により得られた糖尿病モデルマウスに移植することで血糖値を低下させた。またマウス血中からヒトインスリンC-peptideも検出して生体内においても機能していることを確認した。MODY-iPS細胞と膵β細胞分化誘導系を用い、MODY-iPS細胞の膵β細胞への分化過程において変異mRNAのみがNMDにより選択的に分解されている事を発見した。

研究成果

• [雑誌論文] Efficient Generation of Functional Pancreatic β Cells from Human iPS Cells (2016)
  • 著者名/発表者名: Yabe SG, Fukuda S, Takeda F, Nashiro K and Okochi H.
  • 雑誌名: Journal of Diabetes 巻: in press ページ: in press
  • DOI: 10.1111/1753-0407.12400
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Establishment of Maturity Onset Diabetes of the Young (MODY)-iPS cells from Japanese patients (2015)
  • 著者名/発表者名: Yabe SG, Iwasaki N, Yasuda K, Hamasaki TS, Konno M et al.
  • 雑誌名: Journal of Diabetes Investigation 巻: 6 ページ: 543-7
  • DOI: 10.1111/jdi.12334
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Safety assessment of bone marrow derived MSC grown in platelet-rich plasma (2015)
  • 著者名/発表者名: Fukuda S, Hagiwara S, Fukuda S, Yakabe R, Suzuki H, Yabe SG et al.
  • 雑誌名: Regenerative Therapy 巻: 1 ページ: 72-79
  • DOI: 10.1016/j.reth.2015.02.001
  • 査読あり
• [学会発表] ヒトiPS細胞から機能的膵β細胞(iPS-beta)の分化誘導 (2016)
  • 著者名/発表者名: 矢部茂治、福田沙月、霜田雅之、大河内仁志
  • 学会等名: 第15回日本再生医療学会
  • 発表場所: 大阪国際会議場
  • 年月日: 2016-03-18
• [図書] 膵島の再生医療ー膵β細胞の発生と再生をめぐる新展開ー第2章5 疾患iPS技術を利用した遺伝子性糖の解明と再生 (2015)
  • 著者名/発表者名: 矢部茂治、大河内仁志
  • 総ページ数: 45-51
  • 出版者: 診断と治療社