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2015 年度 実績報告書

マラリア原虫寄生赤芽球に対する防御免疫機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26860276
研究機関群馬大学

研究代表者

今井 孝  群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10513434)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードマラリア / 免疫 / CD8T細胞 / マクロファージ / 赤芽球 / Fas / フォスファチジルセリン / Plasmodium
研究実績の概要

前年度までにマラリア寄生赤芽球に対する防御免疫はCD8T細胞と貪食細胞の連携によりもたらされる可能性を見出した。CD8T細胞がFasLを介して、寄生細胞特に寄生赤芽球にホスファチジルセリン(PS)と呼ばれる分子を表出させ、この分子がマクロファージなどの貪食細胞の貪食を引き起こすことで防御が成り立っていることが示唆された。
最終年度は、細胞死の受容体であるFasに着目して研究を行った。これはPSの表出にはFasとそのパートナー分子であるFasLとの結合が重要であることが知られているからである。まずマラリア寄生赤芽球細胞表面のFasの発現を確認した。Fasの変異マウスであるlprマウスに弱毒株マラリア原虫Plasmodium yoelii 17XNL (PyNL)を感染させると、虫血症が野生型のC57BL/6マウスに比べ重症化し、1から2割程度が死亡した。lprマウスの寄生細胞は野生型よりもin vivoにおいてPSの表出割合が少なく、貪食細胞に取り込まれている割合も少なかった。これらの結果よりFasとFasLとのインタラクションが防御に重要であることが示唆された。
本研究課題の成果の大部分は Elife. 2015;4:e04232にて報告した。
原虫寄生赤芽球に対する防御機構の一部分は本研究により明らかとなったが「マラリア原虫が赤芽球に感染する」その意義は依然として不明である。原虫が赤芽球に寄生する利点や原虫赤芽球に対する宿主防御免疫機構の全貌を明らかにすることがマラリア撲滅への鍵となるかもしれない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件)

  • [雑誌論文] A transient resistance to blood-stage malaria in interferon-γ-deficient mice through impaired production of the host cells preferred by malaria parasites.2015

    • 著者名/発表者名
      Hiroko Okada, Kazutomo Suzue, Takashi Imai, Tomoyo Taniguchi, Chikako Shimokawa, Risa Onishi, Jun Hirata and Hajime Hisaeda
    • 雑誌名

      Front Microbiol.

      巻: 6:600 ページ: 1-8

    • DOI

      10.3389/fmicb.2015.00600

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Plasmodium berghei ANKA causes intestinal malaria associated with dysbiosis.2015

    • 著者名/発表者名
      Tomoyo Taniguchi, Eiji Miyauchi, Shota Nakamura, Makoto Hirai, Kazutomo Suzue, Takashi Imai, Takahiro Nomura, Tadashi Handa, Hiroko Okada, Chikako Shimokawa, Risa Onishi, Alex Olia, Jun Hirata, Haruyoshi Tomita, Hiroshi Ohno, Toshihiro Horii, Hajime Hisaeda
    • 雑誌名

      Sci Rep

      巻: 5:15699 ページ: 1-12

    • DOI

      10.1038/srep15699

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり

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公開日: 2017-01-06  

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