研究課題/領域番号 |
26860279
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
森田 将之 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 研究員 (60709632)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | マラリアワクチン候補抗原 / コムギ胚芽無細胞タンパク質合成法 / GIA / ハイスループットスクリーニング |
研究実績の概要 |
これまでに実用化されたマラリアワクチンは一つもなく、有望視されてきたマラリアワクチン候補も臨床試験で効果が無いことが明らかになり、ワクチン候補から除外されている。このような状況を打開するために、新規ワクチン候補抗原同定の必要性が叫ばれている。 マラリア流行地域居住者はマラリア原虫に繰返して感染することにより熱帯熱マラリアに対する防御抗体を獲得する。また、彼らから得られた抗体は培養熱帯熱マラリア原虫に対する増殖阻害活性 (Growth Inhibitory Activity: GIA) を有することが分かっている。そのため、マラリア流行地域居住者の抗体が標的とし、その抗体価がGIAと相関する抗原を探索することによって、新規マラリアワクチン候補抗原を同定できると考えられる。 本研究は、愛媛大学が開発したコムギ胚芽無細胞タンパク質合成法によってゲノム網羅的に合成した1900種の組換え熱帯熱マラリア原虫タンパク質を用いて、新規マラリアワクチン候補抗原を同定することを目的として実施されている。 平成26年度は、ハイスループットに抗原抗体反応を検出できるアルファスクリーンを応用し、マリ共和国の成人から得たIgGサンプル (n=52) の1900種タンパク質に対する抗原抗体反応値を測定した。測定した抗原抗体反応値に対してカットオフ値を設定することで陽性反応を示した抗原905種を選抜した。陽性反応抗原905種の中から、抗原抗体反応値とマリ成人IgGが有するGIAが正に相関する抗原を39種選抜した。これら39種の抗原はGIAに関連しているため、マラリアワクチン候補抗原であることが示唆される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度内にマリ成人IgG (n=52) と1900種のタンパク質の抗原抗体反応の検出を全て終了し、抗原抗体反応値とGIAの相関解析を行い、GIAと関連する抗原を選抜できた。
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今後の研究の推進方策 |
選抜された抗原をコムギ胚芽無細胞タンパク質合成法によって合成し、ウサギに免疫する。得られたウサギ抗体を用いてGIAを測定し、本研究のスクリーニングの有用性を実証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
3月の東京への出張内容を急遽変更したために生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の物品費または旅費に充てる。
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