インフルエンザウイルスゲノムの細胞内輸送に関与する新規宿主因子としてYB-1をこれまでに同定した。本研究課題では、YB-1が感染によって、中心体へと集積し、中心体の成熟化を担うことを明らかにした。これによって、細胞内の膜輸送系が活性化され、ウイルスゲノム輸送に関与するRab11陽性輸送小胞上にコレステロールが集積することを明らかにした。このコレステロールのRab11陽性細胞への集積は、細胞膜上でウイルスゲノムがウイルス粒子内に取りこまれるのに必要であり、中心体の活性制御を介して、ウイルスゲノムの輸送と粒子形成を協調的に制御していることが明らかになった。
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