エイズの原因ウイルスであるヒト免疫不全ウイルス(HIV-1)の起源は、チンパンジーのウイルスであると考えられている。ヒトを含む動物は、ウイルス感染に抵抗するウイルス蛋白質を備えているが、ウイルスは変異し、それらから逃れる。 本研究は、HIV-1がヒトの抗ウイルス蛋白質BST-2から逃れる際、ウイルス蛋白質VpuをBST-2に結合させることを明らかにし、両蛋白質の結合部位を同定した。チンパンジーのウイルス(SIVcpz MB897株)のVpu蛋白質はヒトBST-2と結合しないことを明らかにしたため、HIV-1に進化する際にVpuはヒトBST-2との結合する能力を獲得したと推測される。
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