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2015 年度 実績報告書

広域反応性ウイルス中和抗体のエピトープの構造に着目したワクチンのデザイン

研究課題

研究課題/領域番号 26860304
研究機関一般財団法人阪大微生物病研究会

研究代表者

井上 雄嗣  一般財団法人阪大微生物病研究会, その他部局等, 研究員 (90548869)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードワクチン / インフルエンザ / エピトープ
研究実績の概要

本研究では、ウイルス抗原蛋白質の保存された領域に着目し、高次構造を保ちつつ露出度を高め、広範囲のウイルス株に対して免疫原性を持ったワクチン抗原とする事を目的とした。
抗原蛋白質としてインフルエンザウイルスのヘマグルチニン(HA)蛋白質を選択した。HAはウイルスエンベロープの外側に突き出た、細胞侵入の鍵となる因子である。HAの中和エピトープはほとんどが露出度の高い先端の「頭部領域」に集中しているが、この領域は変異の頻度が高く、中和抗体が誘導されてもやがてエスケープ変異を獲得した耐性株が出現してしまう。一方、頭部領域に隠れて露出度の低い「ステム領域」は概ね保存性が高い。ステム領域を認識する中和抗体については多数の報告があり、全体としてそれらは幅広いウイルス株を中和するという傾向が見られる。
そこで本研究では、精製したHAを頭部領域で微粒子に固定し、ステム領域を外側に突き出した形態の抗原作製を試みた。まず、組換えHAの調製に取り組んだ。HA遺伝子から膜貫通領域を除き、三量体を安定化するCGN4配列ほか発現確認や精製のためのタグ配列を付加した。これをExpi293F細胞を用いて発現を試みた。HAの頭部領域に付加されている糖鎖を利用し、ここにビオチン修飾した。これをストレプトアビジンマイクロビーズに固定する事により、ステム領域を外側に向けたHA抗原粒子を作製した。
これに先行して、ワクチン接種した動物から採取した検体を用いたウイルス中和試験法の改善を試みた。感染細胞を選択的に免疫染色してカウントする「フォーカス法」に基づき、負担の大きいカウント作業をELISPOTリーダーを用いて自動化するべく各種条件を検討し、最適化を行った。
研究は、作製したHA抗原粒子を動物に免疫し、得られた検体の中和抗体価をフォーカス法で測定する事を最終目標としていた。期間終了後も、この目標に向けて研究を進めたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] インフルエンザワクチンの有効性評価法としてのフォーカスウイルス中和試験法の検討2015

    • 著者名/発表者名
      井上雄嗣
    • 学会等名
      第19回日本ワクチン学会学術集会
    • 発表場所
      名鉄犬山ホテル
    • 年月日
      2015-11-14 – 2015-11-15

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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