ゲノムのDNA複製装置が損傷DNAに遭遇した場合、複製装置のPCNA(増殖細胞核抗原)のK164がユビキチン化される。モノユビキチン化された場合には損傷乗り越え複製DNAポリメラーゼがリクルートされ、損傷DNAに対してDNA合成が行われる。ポリユビキチン化された場合には相同組換え反応により損傷のないDNAを鋳型にDNA合成が行われる。HPV DNAの増殖複製においてもユビキチンを介して組換え反応を利用するようなメカニズムがあるのではないかと考えた。HPV DNAの複製に必須のHPV E1ヘリカーゼはユビキチン化され、HPV DNA複製に影響を与える。HPVのユビキチンリガーゼを探索する目的で様々なユビキチンリガーゼをノックダウンし、細胞内でのHPV複製効率を測定した。また、PCNAのユビキチン化酵素であるRad18を精製し、HPVタンパク質との相互作用を検討中である。
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