パピローマウイルスのE1のタンパク質量が調節されていることが、潜伏・増殖期の両方において重要である。本研究では、16型ヒトパピローマウイルスのE1とG2/Mチェックポイントタンパク質であるWee1は細胞内で結合することを示した。また、様々なヒト細胞からWee1をノックダウンすると、強制発現させた E1のタンパク質量が低下した。逆にWee1を過剰発現させると、E1のタンパク質量が増加した。HPV16ゲノムを維持するW12細胞よりWee1をノックダウンするとHPV16 DNAのコピー数が低下した。これらのことは、E1はWee1により安定化されて、HPVゲノムの維持を正しく行うことを示唆している。
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