本研究ではHIV-1 インテグラーゼ(IN)のDNA二重鎖切断部位(DSB)へのリクルート機構とIN活性非依存的なDSB部位へのウィルスDNA挿入機構を明らかにすることを目的とした。本研究でDSB部位へのINの迅速なリクルートにはHIV-1 VprのDSB部位へのリクルートが要求されることを明らかにした。またVprのDSB部位へのリクルートにはDSBセンサータンパクであるMre11が要求されることを明らかにし、VprとMre11タンパク間の相互作用は、非相同末端結合を介したDSB修復経路を制御することによりDSB部位への完全長ウィルス挿入を促進する可能性が示唆された。
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