研究課題
I型アレルギーは、花粉症のようにQOLの低下を招くものから、アナフィラキシーショックのように死に至るものまで多彩であり、その対策は急務である。マスト細胞は、ケミカルメディエーターを放出することで、I型アレルギーに重要な役割を演じている。申請者は、非古典的なグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)であるDOCK5を欠損したマウスでは、マスト細胞の脱顆粒が障害されており、その結果アナフィラキシーショックが著しく抑制されることを見いだした。さらに詳細に解析を行ったところ、この現象はDOCK5の欠損に起因した、脱顆粒反応時における微小管動態の異常によるものであることを明らかにした。現在、アレルギー疾患の治療薬としてヒスタミンの働きを抑える薬剤が使われているが、DOCK5 はヒスタミンの放出そのものに関わっているため、アレルギー反応を根元から断つための新たな創薬標的になることが期待される。
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The Journal of Experimental Medicine
巻: 211 ページ: 1407-1419
10.1084/jem.20131926