研究課題/領域番号 |
26860339
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
磯崎 健男 昭和大学, 医学部, 助教 (00439358)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | フコシル化 / 関節リウマチ / 血管新生 |
研究実績の概要 |
関節リウマチ(RA)および健常人の血清におけるフコシル化タンパクを測定するため、AALレクチンを用いたELISAを施行した。その結果、フコシル化タンパクは健常人と比較して有意に高値であった。当初の予測通りであったため、続いて血管新生における糖鎖の役割を検討するため、フコシル化を抑制する2d-Galactose(2d-Gal)をヒト臍帯血管内皮細胞(HUVEC)に対して刺激した。フコシル化の抑制はレクチンを用いたELISAで確認し、HUVECにおけるフコシル化は抑制されていた。このフコシル化が抑制されたHUVECと処理していないHUVECを用いて、Matrigelによる管腔形成を行った。刺激としては関節液を用いて行った。その結果、2d-Galにて処理したHUVECは有意に管腔形成が抑制されていた。この結果から、フコシル化は関節リウマチにおける血管新生に深くかかわっていることが示唆された。 現在、フコシル化に限らず、関節リウマチの血清における糖鎖の違いについて外注にて検討を行っている。また、フコシル化の抑制によって、どの転写因子が最も影響を受けるのかをwestern blotting法を用いて検討を行っている段階である。一部若干の遅れはあるもののほぼ計画通り研究は進行している。平成27年度は前倒しをして、in vivoでのフコシル化による血管新生を検討する予定である。 2015年秋にはアメリカリウマチ学会にて上記研究結果について発表をしたく考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記で示したように、外注分に関しては平成27年6月末には結果がそろう予定である。ほかのin vitroの実験に関しては予定通り進行している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の予定としては、残りのin vitroの実験を行う。(HUVECの上清におけるサイトカイン、ケモカインの変化に関してELISAで確認すること。western blotting法を用いて細胞内シグナルを検討する)。また、in vivoでの血管新生についてMatrigelを用いた検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
外注している糖鎖の費用に関しては、まだ支払いが終了していないため。
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次年度使用額の使用計画 |
血清中の糖鎖同定については平成27年に計上する予定。そのほかのMatrigelを含めたin vivoの研究に関しては本年度に終了を目指す。
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