研究実績の概要 |
大阪府下13の救命センターと共同で行っている心停止患者の病院到着後の情報を収集するコホート研究CRITICAL study(国立大学附属病院長会議UMIN臨床試験登録システムUMIN000007528)に協力している病院に協力を呼びかけ、同意が得られた7施設よりDPCデータを提供していただいた。研究対象である18歳以上の内因性心停止128人の入院医療費のデータを算出したところ、平均219,669円(最小値139,585円、最大値9,827,139円)であった。100万円未満の費用であったものは、全体の91人(71.1%)、100万円以上200万円未満16人(12.5%)、200万円以上300万円未満9人(7.0%)、300万以上400万円未満3人(2.3%)、400万円以上500万円未満3人(2.3%)、500万円以上600万円未満1人(0.8%)、600万円以上700万円未満4人(3.1%)、900万円以上1人(0.8%)であった。 このデータを元に、PCPS, CAG, PCI, Hypothermiaなどの積極的治療を、病院到着時に実施されたものを、65歳未満・以上に分け費用効果分析を行った。解析対象128例のうち65歳未満36例(28.1%)、65歳以上92例(71.9%)であった。積極的治療の実施は65歳未満群12例(33.3%)、65歳以上群16例(17.4%)、これらの人に費やされた合計医療費は39,316,316円、46,898,446円であった。積極的治療後の社会復帰はそれぞれ4例(33.3%)2例(12.5%)、社会復帰1例あたりに費やされた医療費は、65歳未満群で低かった(9,829,079円 vs 23,449,223円)。65歳以上の患者を一人救命するために、65歳未満の患者に要した費用の約2.4倍の医療費が費やされていた。
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