研究課題/領域番号 |
26860350
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
藤森 麻衣子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 自殺予防総合対策センター, 室長 (40450572)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 共感 / 情動 / 認知 / 行動 / 生理 / コミュニケーション / 精神腫瘍 |
研究実績の概要 |
治癒不能のがん告知をはじめとする悪い知らせを伝えられる面談において、がん患者は医師に対して共感的対応を求めている。その一方で、医師は患者に共感を示すことを難しいと感じており、また教育も十分ではない。そこで、医師を対象としたコミュニケーション学習プログラムを開発し、プログラムに参加した医師は、模擬面接場面において患者の望む行動的共感、認知的共感が増加することを示した。しかしながら情動的共感の評価は行われていない。そこで本研究は、コミュニケーション技術学習プログラムの情動的共感への効果を予備的に検討することである。 がん医療に3年以上携わる医師57名を対象に、プログラム参加前、3カ月後に医師の共感能力をInterpaesonal Reactivity Index (IRI)(28項目、7件法、3因子構造:視点取得、個人的苦痛、ファンタジー)への評定を求めて、t検定にて比較した。 コミュニケーション技術学習プログラムに参加前、3か月後にIRIに回答した医師41名を解析対象とした。プログラム参加前後のIRI各因子得点はそれぞれ、視点取得因子:23.6;24.0(t=-0.7, p=0.5)、個人的苦痛因子:22.3;21.7(t=1.3, p=0.2)、ファンタジー因子:22.3;23.0(t=0.5, p=0.6)であり、いずれも有意な変化は認められなかった。 本研究の結果から、コミュニケーション技術学習プログラムは医師の情動的共感変容に影響を及ぼさない可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コミュニケーション技術学習プログラムの共感への長期効果、関連要因の検討を追加で行うよう研究計画を変更したため。
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今後の研究の推進方策 |
コミュニケーション技術学習プログラムの共感への長期効果、関連要因の検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コミュニケーション技術学習プログラムの共感への長期効果と関連要因を検討するために、データ集積期間が後方にずれ込んだため。
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次年度使用額の使用計画 |
コミュニケーション技術学習プログラムの共感への長期効果と関連要因を検討するためのデータ整理、分析および、結果の公表に使用する。
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