本研究では、多発性骨髄腫に特異的な血小板由来増殖因子受容体α(PDGFRα)転写産物の同定を試みた。その結果、多発性骨髄腫に特異的な転写産物は同定できなかったが、ヒトPDGFRα遺伝子の新規first exonを5つ見出した。複数のfirst exonによる遺伝子発現制御はその遺伝子の時空間特異的な発現に関わることが報告されている。そこで新規first exonのマウスホモログを同定しその発現を調べた。その結果、各first exonはそれぞれ異なる組織発現パターンを示したことから、PDGFRα遺伝子は複数のfirst exonによりその発現が緻密に制御されている可能性が示唆された。
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