本研究は、膠原病患者血清中の自己抗体が膠原病合併肺動脈性肺高血圧症の発症に関与するかを解明することで、その自己抗体が膠原病合併肺動脈性肺高血圧症発症の予測マーカーとなりうるかを検討することを目的としておこなったものである。 その結果、膠原病患者血清より精製した抗体成分が主に反応する肺動脈の細胞の蛋白分子を、解析したところ、PDGFレセプターよりむしろエノラーゼ1に反応していることがわかった。血清中の抗エノラーゼ1抗体の抗体価は、膠原病合併肺動脈性肺高血圧症患者の血清で、健常者より有意に高値であることがわかった。今後は本抗体が膠原病合併肺動脈性肺高血圧症の発症に関与するかさらに検討を続ける。
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