研究課題
SLEの診断には、米国リウマチ学会の「SLE改訂分類基準」が汎用されており、11項目の理学的所見や画像もしくは血液検査のうち4項目以上あてはまる場合に、SLEと診断される。このように分類基準が曖昧となっている理由として、症状が多彩であり、全SLE患者に共通して存在し、他の膠原病および炎症性疾患と鑑別できる所見が発見されていないことが考えられる。そのため、全SLE患者に共通した異常を見出し、感度・特異度の高い診断マーカーとして確立することが求められている。近年、研究代表者らは、SLEの末梢血リンパ球で、mRNAのスプライシングに必須なU1-68kが異常に脱リン酸化を受けていることを発見した。本研究では、この異常の診断的意義を確立すると共に、研究代表者が確立した末梢血リンパ球のハイスループットなスプライシング活性評価法により、「スプライシング異常」が「SLEの診断もしくは病勢モニタリングマーカー」として有用であるかについて評価する。本年度は前年度に引き続き、末梢血リンパ球のスプライシング活性評価法を最適化するとともに、SLE患者(7例)、混合性結合組織病患者(MCTD, 6例)、健常者(5例)の血液から末梢血リンパ球を採取しスプライシング活性測定に供したが、各群間で著しい差は認められなかった。末梢血リンパ球中の特に単球のRNase活性が強いために正確なスプライシング活性測定ができていないこと、各群間で差があったとしても顕著な差を見出しにくいことが考えられるため、測定対象を末梢血リンパ球ではなく、さらにT細胞等に単離した上でスプライシング活性測定を試みた。
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