高親和力で特異的な抗体は、臨床検査における体外および体内診断薬として有用である。しかし、従来のハイブリドーマ法で得られる抗体の性能には限界がある。そこで、天然の抗体遺伝子を改変する抗体工学が期待されているが、膨大な多様性をもつ抗体提示ファージライブラリーから目的の改良分子種を効率的に選別することは困難である。この問題を解決するために、本研究ではフローサイトメトリーの原理を基盤とする改良抗体の革新的な単離法の確立を目指した。必要なキー試薬であるモノクローナル抗ファージ抗体を作製し、これを人工のミニ抗体 (scFv) に改変した。さらに、発光タンパク質との融合体を調製し、その有用性を検討した。
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