スフィンゴ糖脂質は脂質二重層を構成する脂質の一種である。特にシアル酸を持つスフィンゴ糖脂質であるガングリオシドは神経組織に多く存在し、重要な機能を担っている。しかし、疼痛との関わりは不明な点が多い。申請者らは以前にガングリオシドが皮膚においてグルタミン酸シグナルを介して痛覚過敏を引き起こすことを報告した。本研究では神経障害性疼痛や炎症性疼痛においてガングリオシドがどのように変化するか検討を行い、炎症性疼痛の皮膚においてガングリオシドが増加することを示した。さらに、シアル酸分解酵素により炎症性疼痛を緩和されることを見出した。以上から、痛覚異常時にガングリオシドが関与している可能性が示唆された。
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